英検1級の長文は速く読めないと難しい?誰でもできる速読力向上の方法を紹介!

英検1級の読解問題では長文の長さが合計2700wordあり、これを50~60分で攻略しなければなりません。
ただでさえ難度の高い語彙と複雑な文構造からなる1級の長文をこの時間で攻略するのは、なかなか大変です。

しかし、速読力を向上させていけば攻略しやすくなります。

本記事では、誰でも実行可能な1級長文攻略のための速読力向上の具体的なコツ・方法を紹介していきます。

英検1級のリーディングに弱点のある方、1級の長文を読むのが遅い・苦手な方にとって有用な内容となっています。

誰でもできる英検1級で必要な速読力の向上方法

必要とされる速読力は150WPM以上

WPMというのはWords Per Minuteの略で、1分間あたりに読める単語数を表しており、英語長文の速読力の単位となります。

英検1級で必要とされる速読力は一般的に150WPM以上と言われていますが、はっきり言ってこれは普段から練習しないと身につかないスピードです。

私は、英検1級を受け始めた当初は、まだ準1級レベルのスピードで読んでいたので、長文読解では時間が不足がちで、正答率もよくありませんでした。

読むスピードが遅いと、時間的余裕だけでなく精神的余裕が持てないのです。
なんせ1級の長文は、準1級の約1.6倍のボリュームがあるのです(準1級が1700wordで1級が2700word)。

しかし普段から練習し、1級レベルの長文を150~180WPMくらいで読む速読力がつくと、長文読解で1級合格者レベルの正答率がとれるようになりました。

私は次節に示す、速読力向上の方法・コツを駆使して、調子が良いときややさしいレベルだと300~400WPMくらいで読めます。
そしてその速読力を駆使した結果、2015年度第1回の長文読解では16問中15問正解で、正答率94%を得ました。
おかげでこのとき、1次初突破できました。

簡易的なWPM対応表をエクセルで作成、語数のわかる長文を読む

速読力を高めるために、私は速読力を簡易的に評価できる方法を考えました。
以下が、その方法です。

① 「長文の長さ(語数)」と「WPM」の簡易的な対応表をエクセルで作成。これは「長文の長さ」ごとに「各WPM値」に対応した「長文読解タイム(秒)」が一目でわかる表。
② 長さのわかる長文を使う。1級の長文なら350、500、800wordの3種類が使える(私は、長文ごとに厳密な長さ(語数)を数えていましたが、大まかな長さでOKだと思います)。
③ ①の対応表において、「使う長文の長さ」と「目標とするWPM」から、「目標となる長文読解タイム」を見つけて、②の長文の余白に書き記しておく。
④ ③の「目標となる長文読解タイム」を目指して、②の長文をタイム計測しながら何度も読む。

私がエクセルで作成した、上記①の「簡易的なWPM対応表」は以下のようになっています。

表計算的には、縦軸に「長文の長さ(word数で1刻み)」を、縦軸に「WPM値(10刻み)」をとり、
「目標となる長文読解タイム(秒)」 = 「長文の長さ」÷「WPM値」× 60
の式を対応表内部に埋め込むだけなので、簡単に作成できます。

これを使えば、対応表横軸の「WPM値」と縦軸の「長文の長さ」から「目標となる長文読解タイム(秒)」が一目でわかります。
例えば、1級長文で一番長い800wordの長文を180WPMで読む目標の場合は対応表より、266秒 = 4分26秒が目標タイムとなります。
「800word ÷ 180WPM × 60 = 266秒」 という算出になります。
このタイムを目指して何度も繰り返して読んでいきます。

ただし、単にタイム向上を目指して読むだけでは難しいので、次節以降で速読力向上の具体的なコツを示します。

速読力向上のコツ①タイム計測しながらひたすら黙読する、音読はしない

長文で速読力向上を図るには、タイムを毎回測ることと黙読することが必要です。

読解タイムを記録しながら向上心を持って何度も読む、そしてそれを毎日続ける、を実行しているといつの間にか思った以上に速く読めるようになっているものです。

また音読は、長文の速読力向上に関してはマイナスです。
なぜなら長文を音読中心で読む人は、黙読でも音読以上のスピードでは読めないからです。
音読ばかりだと速読力が高まらないのです。

また、音読で長文を読むクセがついていると、本番でもヒソヒソ声で音読してしまう人がまれにいます。
私が体験した本当の話ですが、2017年度第1回の1級1次の地元試験会場で、私の近くにヒソヒソ声で音読しながら長文読解している女性受験者がいました。
会場の試験監督者もなぜか注意しませんでした。これには困惑しました。
すっかり集中力を狂わされた私は、長文読解が自己最低点を記録してしまいました(16問中7問で正答率44%)。
そして不合格となりました。
音読でしか読めない人は本番で他の受験者に迷惑をかけてしまうことさえあります。

速読力を鍛えるときはひたすら黙読しましょう!

速読力向上のコツ②感情を活かして読む

速読力向上には、感情を使って読むことも大事です。
感情を伴うと忘れにくいからです。

感情を使って読むというのは、「そうなんだ、わかる!」と納得したり、「え、なんでそうなるの?」と疑問形でツッコミを入れたり、「なんかこの人、凄い!立派な人だな」などと主観的な感想を持ったりしながら読むことです。

感情を使って主体的に読むことで、速読と内容のインプットが両立できます。
速く読みつつも内容が頭に残りやすくなるのです。

速読力向上のコツ③やさしい箇所は加速せよ!

速読力向上には、簡単で速く読める箇所は一層速く読むことも大事です。

1級の長文には、語彙や文構造の難易度によって読みやすい箇所と読みにくい箇所があります。

読みにくい箇所も一定のスピードを維持しつつ、読みやすい箇所は一層加速して読むこと、全体で緩急をつけて読むことが大事です。
それを心がけるだけで全体的な読解スピードが増していきます。

速読力向上のコツ④頭の中で音声化しない

人は長文を黙読しているとき、脳内では音読しています。
速読力向上に音読はマイナスと述べましたが、実はこの「脳内での音読」も速読高速化の妨げになります。
「脳内でも黙読する、音声化しないこと」を意識して日々読んでいけば、速読力はさらに高まっていきます。

速読力向上のコツ⑤やさしいものも読む

速読力向上では、1級レベルの長文(主として過去問)を読んで鍛えることが必要ですが、実はやさしいものをたくさん読むことも大切です。
楽しくやれて、達成感や速読への自信も高まるからです。

私は、1級の勉強をしていた時、準2級~準1級レベルの長文もたくさん読みました。
特に繰り返し読んだのは、日本に通算17年暮らしたことのある知日派の米国人女性Kay Hetherly(ケイ・ヘザリ)氏の「American Pie」をはじめとする一連のエッセイものです。

高校英語レベル(英検準2級・2級レベル)の平易な文体で、600wordほどの適度な長さで書かれており、親しみやすく飽きずに読める内容でした。
なので、英文法や読解の基本を見直しながら1級レベル長文の1.5~2倍のスピードで速読することを心がけました。

やさしいからこそより速く読まなきゃと集中力も高まります。
「やさしい内容だけど、おれ、こんなに速くよめるんだ」と感じて、速読への自信も高まりましたね。
楽しく読むことができつつ、ポジティブな気持ちになれるのです。

なので、私は速読対策として、「難しいもの、1級レベルの長文を速く読む」だけでなく、「やさしいものをより速く読むこと」もオススメします。

勉強とはいえ、楽しんで実行できることが何より大事ですし。

速読力向上のコツ⑥毎日コツコツ続ける

長文を読むこと、上記のコツを毎日続けることが大切です。
私の経験上、週に3、4度とかで散発的に実行していたのでは伸び悩みます。

毎日少しの時間でも、10~20分程度でもいいのです。
本当に忙しい日は、5分だけでもいいでしょう。
長文をタイム計測しながら毎日繰り返し読んでいけば、少しずつスピードが上がっていきます。

英検1級の長文は速く読めないと難しい?誰でもできる速読力向上の方法を紹介!まとめ

英検1級に必要な150WPMの速読力は、日々鍛錬していかないと身に付きません。

しかし、上記で示させていただいたような、誰でも実行可能な方法・コツがあり、これらを組み合わせて少しずつでも毎日コツコツ実践していけば、確実に速読力は高まります。

1級攻略に必要な150WPM以上の速読力は誰でも達成できます。

これから1級合格を目指す方、長文読解で苦労されている方に本記事のノウハウが役立てば嬉しいです。

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