英検1級 2次面接(スピーキング) 七転び八起きで合格した私の対策法

私は2次を計6回受験してやっと合格しました。

スピーキングとリスニングが苦手だったので2次初受験から3年後にようやく1級合格となりました。

本記事では、そんな私が苦労しながら得た、効率の良い対策のポイントや合格に大事なことなどを紹介していきます。

これから1級合格を目指す方、2次がなかなか受からず苦労されている方に向けて有用な内容となっています。

英検1級2次対策での重要ポイント

2次試験で使った対策本

私が2次面接・スピーキング対策で使った本は以下です。

・英検分野別ターゲット英検1級英作文問題
・最短合格!英検1級英作文問題完全制覇
・英検1級面接大特訓

私は2次で初受験から受かるまでに徐々に準備するトピックを増やしていきました。

この3冊にのっているトピックと1次試験のエッセイ過去問のトピックとをあわせて、最終的に80個ほどのトピックを準備し、オンラインサービスで1級2次に特化した実戦演習を重ねました。

2次では特に「英検1級面接大特訓」は重宝しました。
その詳細は後述します。

頻出分野・鉄板トピックからおさえていくのが重要

2次試験で出題される分野は、「政治・国際関係」、「経済・ビジネス」、「スポーツ・文化」、「科学・テクノロジー」、「メディア」、「環境」、「教育」、「法律・犯罪」、「家庭・ジェンダー」、「医学・健康」の10分野に大別することができます。

ただ、これらの分野は出題頻度がまるで違います。

2次での頻出分野は、「政治・国際関係」、「経済・ビジネス」、「スポーツ・文化」、「科学・テクノロジー」の四つです。
なので、まずこれらの分野での頻出・鉄板トピックを準備することが重要で高効率です。

私が使った対策本の一つ「英検1級面接大特訓」には長年のデータに基づく2次試験の頻出分野ランキングがのっています。そこから算出したところ、この四分野だけで18年間で出題頻度が全体の約6割を占めており、近年の3年分では約7割に増えていることが判明しました。
そして「医学・健康」分野は2次ではあまり出ません。1次試験のエッセイでも2004年以降では一度しか出ていないのです。

なので、私は1級合格直前の半年間で、先述の対策本3冊と1次エッセイ歴代過去問(“英検1級 英作文 エッセイ 過去問”でグーグル検索するとトップページ最上位に掲載サイトが出てきます)から、上記4分野で鉄板・頻出と思われるトピックを優先的かつ多めに選んで準備しました。
そして、「医学・健康」には手を出さず、「メディア」、「環境」、「教育」、「法律・犯罪」、「家庭・ジェンダー」など残りの分野は少なめに選んで準備しました。

私が6回2次を受験し、オンラインでの2次対策実戦演習を多くこなした経験からも、この頻出4分野での頻出・鉄板トピックは本番や実戦演習で当たる可能性が高く、また当たらなくても応用しやすいです。

私は「英検1級面接大特訓」に出会うまでの受験対策では、どの分野からもまんぺんなく準備していたので、本番で出ない「無駄トピック」も多かったです。
それだと、準備したトピックが本番や実戦演習で当たる確率が低くなり報われないことが多くなります。

頻出分野の頻出・鉄板トピックから準備していきましょう!

トピックをどれぐらい準備するか

私は、2次初受験から合格まで3年かかり6回受験したので最終的に80個ほどトピックを準備しました。
しかし、2次初挑戦ならそこまで用意する必要はないでしょうし、実際に不可能ですよね。

私の経験からトピックを準備する数は、以下の感じです。

2次の受験回数 準備に必要なトピック数
1回目の人(初受験) 10~20個
2回目の人 20~30個
3、4回目の人 30~50個
5回目以上(1次から出直しでなかなか受からない人) 60個以上

初受験の方は、少ない準備でも意外と乗り切れるケースが多いように感じます。「1次に受かった勢い」と「一発で受かりたい」という気持ちの相乗効果だと思います。

ただし初回1発で受かり損ねて落ちる回数を重ねていく方は、その回数に比例して多めのトピックを準備しておく必要があるというのが私の2次で苦労した経験からの実感です。

2次に何度も落ちる人は、トピック準備以外の要素でも弱点を持っている傾向にあるからです。
それは、発音・流ちょうさも含めた会話力であったり、本番での瞬発的なスピーチ構成力などです。

私自身がそうでした。スピーキングが苦手で(今でも発音下手で流ちょうにしゃべれない)で、本番で未準備トピックが出たら、終始もごもごしたしゃべりで論理的構成力のないスピーチになる事が多かったです。

なので、多めにトピックを準備し本番で当てる精度を高め、トピック面で少しでも有利に進めておく必要があるのです。
また多めの準備は、本番での対応力を高め、未準備トピックでも応用を利かせる力につながります。

私は、最終的に80個のトピックを準備して「まず不足ないだろう」と思えました。
そして、1トピックあたりのボリュームは150~180wordで原稿を作りました。
これは自分のスピーキング能力から、2分以内という制限の中で自分に適当なボリュームでした。

ただし普段から英語をしゃべり慣れてネイティブ並みに話せる人なら200word以上のボリュームがないと逆に時間が余るかもしれません。

要は、英語の発話力と話すスピードは比例関係にあるので、自分の発話力に合ったボリュームでトピックを準備するのが良いです。

理由が書きやすい方の意見にする

2次対策では、トピックごとにスピーチ原稿を書いて覚えるのが重要です。
トピックに対して、エッセイと同じように自分の意見(賛成か不賛成など)をまず固める必要があります。

しかし、必ずしも自分の考えに忠実になる必要はありません。
優先すべきは、理由・根拠が述べやすいか、話しやすいかです。

例えば、日本での増税賛否のトピックの場合、私個人は反対なのですが、少子高齢化の現状を踏まえると増税の方が論理を展開しやすいのです。理由・根拠が見つけやすいのです。

なので、増税賛否トピックでは私は自説を曲げて賛成でスピーチを構成しましたが、書きやすく話しやすかったです。

トピックは、日々繰り返して覚える

私は、準備したトピックを下記の方法で繰り返して覚えていきました。

・トピックごとにスピーチ原稿をPCで書いて印刷し、出題分野別にクリアファイルに分けておく。
・様々な場所でぶつぶつ覚える。自分の部屋以外にトイレや車の中など。
・分野を日ごとにローテーションさせていく。今日は「政治・国際関係」と「スポーツ・文化」と「環境」、明日は「経済・ビジネス」と「科学・テクノロジー」と「教育」のように。
・暗唱では時間も計り、大体1分40~50秒ぐらいでおさまるようにする(ボリュームは150~180word)。本番の緊張を考えると普段の練習では余裕をもたせた方が良い。
・暗唱時間が1分30秒台になるようだったら、“ボリューム増量”で微調整する。

2次対策特化のオンラインサービスで実戦演習

2次試験は試験形式として、最初に面接官とパーソナルな会話をしたあと、「5つのトピック」が書かれた紙を見てその中から1つトピックを選び、1分間でスピーチを組み立て2分間で話し、4分間程度の質疑応答もこなさなければなりません。

トピックを多めに準備しておくこと以外に、試験形式に慣れての対応力や瞬発力が要求されます。
なので、ある程度トピックを覚えたら、とにかく本番形式に慣れて実戦演習を積む必要があります。
実戦演習では、最初の面接官との会話やメインのスピーチだけでなく質疑応答力も鍛えられます。

それで私は、「オンラインでの1級2次面接対策に特化したサービス」をネットで見つけて利用しました。
そのサービスは、値段がリーズナブルで(1回30分の指導5回分で約6000円)でフィリピン人女性の先生がSkypeを使って本番形式で指導してくれるサービスでした。
私は直前期の2カ月で週5~6回ペースで50回ほど集中的にやりました。早朝と夜で1日2回受けた日もありました。

振り返ってみると、直前期の実戦演習では手ごたえをある程度感じており、以下に挙げる合格の兆候めいたものがありました。
●本番1カ月前では3回に2回くらいの頻度で、準備したトピックに近いものを「5つのトピック(過去問から出題)」から選べることが増えた。
●発音は相変わらず拙いながらも、スピーチをまごつかずに(時にスラスラ)言えることが増えた。
●質疑応答でも先生とかみ合ったやりとりが増えた(苦手なトピックでかみ合わない回もあったが)。
●「政治・国際関係」のトピックを選んでスピーチした回では、先生から「いいーんじゃない!?政治家の演説みたいよ!」と嬉しい褒め方をされた。

フィリピン人の特に女性の先生は、サービス精神旺盛で褒め上手な方が多いので、好評価もいくらか差し引いて聞く必要がありますが、やはりうれしくて自信になりました。
直前期の実戦演習では準備したトピックが当たる確率が高まり、スピーチも自分なりにしっかり言えるようになっていたのだなと感じます。

ただ、実戦演習と本番では緊張感がまるで違うので、最後まで油断はできませんでした。

本番で心がけること

私が6回の1級2次試験受験を通じて指導の先生から学んだり、自分でも感じた「本番で心がけること」を以下に挙げます。
① 質疑応答では落ち着いてゆったり話す。
② 質問に対しては、正確に聴き取って簡潔に答える。
③ 一方的にしゃべりすぎない。
④ 質問を聴き取れなかったらもう一度お願いする。
⑤ 相手の顔を見て話す。
⑥ ポジティブな気持ちで話す。

私がこれまで落ちた受験回では、特に①~③のことができていませんでした。
自信のなさからくるのか気持ちに余裕のない話し方になっていたのだと思います。
これらがきちんとできるだけで面接官の印象もかなり違い、合格につながっていたかもしれません。

なので、実戦演習でもこれらを心がけてやっていくと良いです。

手ごたえがなく自信のなかった本番

合格した2次試験本番(2018年度第3回)では、以下の感じでした。

●面接官はどちらも50代と思われる日本人女性と白人男性
●試験会場は大阪で私は山陰地方から高速バスで泊りがけできたので、最初の会話でそのことを話したら白人男性の面接官が私の地元名に凄く食いついてこられた。
●スピーチは一応制限時間内には無事終わった。
●選んだトピックは「教育」分野で小学校の英語教育必修化に関するもの。
●準備したトピックは部分的に当たったが、スピーチ自体は中途半端な出来。
●質疑応答では、白人男性だけが終始質問。実際は質問というよりツッコミに近かった。
●何度もツッコミを食らい、論理的に応答できたわけではなかった。ひるまずにただひたすら「ああ言えばこう言う」式に自説を繰り返したのみ。
●なので、質疑応答しながら「かみ合ってないかも?今回も落ちたな」と感じた。
●10分間の面接を終えて「ありがとうございました」と伝えたら、白人男性面接官が私をいじり楽しむような表情で「〇〇(私の地元名)には気を付けて帰れよ!」と言ってきたので、力ない笑顔で返して試験室を出た。
●正直自信はなく手ごたえも感じず、「今回も落ちたな」と思った。

結果は以下のようになっています。

SHORT SPEECH INTERACTION GRAMMER AND VOCABULARY PRONUNCIATION 総合得点

()内はCSEスコア

7/10 7/10 7/10 6/10 31/40
(612/850)

日本人女性の面接官とは質疑応答ではほとんど話せておらず(それまでの5回の受験の質疑応答では必ず二人の面接官とやりとりがあった)、とても合格するとは思えませんでした。
2次試験の点数を見ても、SHORT SPEECHとINTERACTIONの点数も今までの経験から考えると、7点ももらえるようなできだったとは思えません。

今振り返ると、本番では白人男性の面接官が私に興味をもち妙に気に入ってくれたことが合格要因としか言いようがないです。
面接官の主観がたまたま好意的に作用したといいましょうか。
あと強いて言えば、しゃべりが拙いながらも頑固に一貫した主張をし続けたこともポジティブに受けとられたのかもしれません。

全体で言えば、本番でのスピーチや質疑応答は不出来でも、奇妙なツキとそれまでの準備・対策の蓄積の力で受かった感じです。ツキとは面接官に興味を持たれて気に入られたことで、蓄積の力とは直前対策でそれなりの手ごたえが持てるほどの準備・対策をやっていたことです。

なので、2次試験合格に関しては、もともとスピーキングが苦手な私としては「結果は最後までふたを開けてみないとわからない。落ち続けても諦めずにやれることをやってベストを尽くすのみ」ということですね。

英検1級 2次面接(スピーキング) 七転び八起きで合格した私の対策法 まとめ

英検1級2次試験は、まず頻出分野の頻出・鉄板トピックからおさえていくと効率の良い準備ができます。

初受験での合格を逃すと、落ちるたびに準備の負担が重くなってきますが、諦めずに取り組んでいけば、時間がかかっても結果につながります。

しっかり準備して直前の実戦演習で手ごたえが感じられるようにしましょう!

スピーキングが苦手で発音が下手で流ちょうさに欠ける私でもなんとか受かりました。

私が苦労しながら合格した対策法が、これから1級合格を目指す方や2次攻略に苦労している方に少しでも参考になれば嬉しいです。

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