英検1級1次で重要なエッセイの対策~27点とれた私の方法を紹介!

英検1級1次では、エッセイ(ライティング)対策が不可欠です。
なぜならエッセイが低得点だと現在の1級1次は受かるのが難しくなってきているからです。

本記事では、
・1級1次におけるエッセイの重要性
・本番で27点(得点率84%)とれた「トピックの論拠を日本語で整理しておく方法」
などを中心に紹介します。

1級でなかなか結果が出ない方、エッセイだけでなく、リーディングやリスニングにも弱点がある方にも特に読んで頂きたい内容です。

英検1級におけるエッセイの重要性とその理由

1級1次で語彙・読解(リーディング)、リスニング、エッセイ(ライティング)の3技能のうち、最重要技能はエッセイです。

以下の理由からです。
●2016年度から配点変更により、素点でのエッセイ配点比率が大幅高まった(25%→32%)。
●1次試験3技能の中で、素点1点あたりで最もCSEスコアを稼げるのがエッセイ(素点1点あたり20前後)。
●上記からエッセイで一定以上取れる人が有利な試験設計となっている。
●現行では、目安として一般的に素点7割(23点)以上が1次合格に必要。
●リーディングかリスニングどちらかが不安定、弱点がある人は素点で8割(26点)以上が必要。

2015年に英検独自の統計的手法に基づいた4技能評価点数:CSEスコアが導入され、2016年度から新たな採点制度が導入されて以来、英検協会は1級1次では、エッセイを素点からもCSEスコアからも非常に重視しています。

2016年以降、英検1級はエッセイが得意な人は有利、苦手な人は合格しにくい試験になっているのです。

だから、リーディング・リスニング対策をしつつ、エッセイで高得点をとるべく攻略するのが1次突破の近道と言えます。
1級1次通過には、エッセイ攻略が不可欠です。

使った1級エッセイ対策本

1級のエッセイ攻略にあたって、私は以下の対策本を使いました。

・英検分野別ターゲット英検1級英作文問題
・最短合格!英検1級英作文問題完全制覇

「英検分野別~」の方は主にノウハウ面で有用で、エッセイの書き方を学んだり、使えそうな表現を取り入れるのに役立ちました。

「最短合格~」の方は主に情報面で有用で、頻出・重要トピックを知り、各トピックのネタをさがしたり、必要な語彙を覚えるのに役立ちました。

また2冊とも1次エッセイだけでなく2次面接のスピーキング対策にも役立ちました。

上記2冊はそれぞれ一長一短あり、互いの長所・短所が相補的な関係にあるので、両方を使うのがオススメです。

1級エッセイの概要・構成

1級エッセイのトピックは基本的に、Yes/Noか、Agree/Disagreeかを問うものとなっています。

そしてエッセイは、序論(Introduction)、本論(Body)、結論(Conclusion)の3つの構成になっています。

序論(Introduction)では、Yes/Noか、Agree/Disagreeかの意見表明をします。
トピックに関する現状も軽く踏まえて書くのが定石です。
ボリュームが多少稼げてエッセイらしい体裁になります。
例えば、「再生利用可能エネルギーの是非」を問うトピックだったら、「再生利用可能エネルギーの使用は今世界で徐々に増えている。私は、再生利用可能エネルギーは必須と考える」のように簡単に書けます。
それほど凝る必要はありません。

本論(Body)では、自分の意見を裏付ける3つの論拠を展開していきます。
論拠ごとにその理由や具体例を盛り込みます。
もし具体例がなくても理由に説得力があればOKです。

結論(Conclusion)では、再度意見を述べて締めます。
最悪時間がない場合は、再度の意見表明の一文だけでOKです。
序論(Introduction)とシンクロさせた意見表明での締めがエッセイ成立の最低条件なので。
余裕があれば今後の希望めいたものなどを書くのが良いです。
やはりボリュームが多少稼げて、ネイティブが好むエッセイらしい体裁になるからです。
本論(Body)を受けて、「これらの理由から(For these reasons)、再生利用可能エネルギーは必要である。様々なタイプの再生利用可能エネルギーの普及により、我々には明るい未来が見えるだろう。」のような感じです。

構成と簡単なテンプレートを以下に示しておきます。

序論(Introduction) 現状+意見表明
本論1(Body1) First、論拠1+理由+具体例
本論2(Body2) Second/Next、論拠2+理由+具体例
本論3(Body3) Third/Finally、論拠3+理由+具体例
結論(Conclusion)  For these reasons(これらの理由から)、再度自分の意見表明(+今後の希望など)

構成は序論(Introduction)、本論(Body)、結論(Conclusion)の3段ですが、本論(Body)が3つの論拠から成るので、パラグラフは5段構成となります。

なお各パラグラフ冒頭は5文字分くらい字下げ(インデント)して、構成を見やすくしておくことが大事です。

1級エッセイの重要トピックは、日本語で論拠整理せよ!

論拠整理のおかげでエッセイは、素点得点率84%、CSEスコア得点率88%

私が1級に受かったときのエッセイの素点は32点満点中27点で84%の得点率であり、CSEスコア的にも850点満点中744点で88%の得点率と大きく稼ぐことができました。

リスニングの素点正答率が37%でボロボロだったにもかかわらず1次合格できたのは、このエッセイ高得点のおかげです。

それで、私自身がエッセイ対策で高得点につながった大きな要因に思うのは、先述の対策本トピックの中で特に「鉄板、重要だな」と思えるトピックに対して一通り、序論(Introduction)と本論(Body)にあたる部分、つまり「自分の意見」と「3つの論拠」をあらかじめ日本語で整理しておいたことです。

論拠整理の手順

私は、自分の意見を裏付ける本論(Body)部分の3つの論拠を、重要なトピックごとに日本語で整理しました。

具体的には、一つのトピックに対し、以下をやりました。

① 自分の意見を決める。
② それを裏付ける3つの論拠を考える。
③ ②の論拠ごとにその理由や具体例などを極力整理してまとめておく。

ここで①②は逆の②①の順序もあり得ます。
論拠をあげやすい意見を選ぶことが重要だからです。

自分で考えだすのが難しい場合は、上記の対策本の解答例を参考に取り入れたりしました。
具体例は、必要に応じて新聞記事やインターネットで調べたりもしました。

また賛否の難しいトピックの場合は、メリット・デメリットを洗い出してから意見を決めました。
トピックの中には、「一般常識的にはほぼ賛成コースのもの」もあるので、メリット・デメリットの洗い出しは全てのトピックにやる必要はないと思いますが、意見を決め辛い場合には有力です。

実際例とコツ

論拠を整理した実際例を二つほど以下に示します(どちらのトピックもエッセイ・2次面接で鉄板のトピックです)。

例① :Should nuclear weapons be outlawed worldwide? (核兵器は世界的に禁止されるべきか)

意見 賛成
論拠1 核兵器は地球を滅ぼす
↑その理由や具体例 ・現在の核兵器 = 広島型原爆の約30倍の威力 → 核の冬→ 世界の滅亡
論拠2 核兵器は危険で脆弱
↑その理由や具体例 ・核兵器施設 = テロ・サイバー攻撃の標的 → 悲惨な結果
・施設の老朽化 = 偶発事故のリスク大
論拠3  核兵器は開発・維持にコスト大
↑その理由や具体例 ・保有国は開発・維持に数十億ドル = 税金の無駄
・コストを社会福祉・教育に使用 → 良い社会

例② :Will societies with low birthrates face a crisis in the future? (出生率が低い社会は将来危機に直面するか)

意見 賛成
論拠1  政府の負担増
↑その理由・具体例 ・低出生率 → 人口高齢化 → 社会保障費増大、日本が良い例で、財政支出3割強
論拠2  増税が必要
↑その理由・具体例 ・少子化発生 = 若者減少 → 労働力不足 → 税収不足 →要増税 → 国民苦境
論拠3 絶望的社会になる
↑その理由・具体例 ・若者の負担増 → 絶望する若者&貧困の増加 → 若者を中心に絶望する人増

各論拠とその理由・具体例の書き方に関しては、以下のコツがあります。

●英文に落とし込むことを想定して整理する。
●「論拠 → その理由・具体例」の関係は、「抽象 → 具体」、「結論 → 理由」、「結果 → 過程」などの関係であること。
●使えそうな論拠のネタは、「結果・結論」部分と「過程・理由」部分に切り分ける。
●必要に応じてデータをさがして「具体例」に使う。

英文で書くことを想定して、論拠の部分は抽象・結論的内容にしておき、その理由・具体例を肉付け展開しやすい構造にしておくのです。

また「論拠 = 結果」で「その理由・具体例 = 過程」という関係も英文にするとき書きやすくなります。

トピックのネタを集めているときは、とりあえずそれが「結果・結論」なのか「過程・理由」なのかを意識するだけでかなりハードルが下がります。
そして必要に応じて説得力強化のため、関連データなどの「具体例」を見つけてくる感じです。

なお、データに関しては、それほど的外れではない、正味の値と大きく違わないと思われるものなら多少アバウトだったり自己解釈した値でも構いません。凄く厳密に調べる必要はありません。
英検の面接官が「そうなんだー」と思えればよいのですから。

上記例①の核兵器関連トピックだと、論拠のネタとして「核兵器使用で核の冬が訪れ地球上の生物が滅亡する説」を整理するときは、

結論・結果部分である「地球生物滅亡」=論拠

説得力を上げる具体例として「現在の核兵器の威力データ」 = 理由・具体例

過程部分の「核の冬の訪れ」 = 理由・具体例

というイメージです。

やみくもにただ日本語で整理すればいいわけではありません。

そして論拠の理由や具体例を英文で書くときは、becauseやfor exampleなどを使えば良いのです。

英語は、「抽象→具体」、「結論→理由」、「結果→過程」の順序を重視する言語です。
エッセイやスピーチでもこの順序が重要視されます。

逆にわれわれ日本人は、この述べ方に慣れていないので、英検1次でのエッセイ、2次のスピーチを対策する上で強く意識しておくことが必要です。

私は、上記のようなイメージで整理しましたが、マインドマップで視覚的に整理する方法も有力です。

私は、トピックごとに論拠を整理したものは、A4の裏紙に鉛筆で書いてクリアファイルに入れておきました。

トピックを見れば論拠がすぐに思い浮かぶよう、何度も見ては復習しました。

日本語でやるメリット

このやり方のメリットは、以下があります。
●日本語なので整理が容易。忘れにくい。
●ネタ探しは基本的に上記対策本でOK(必要に応じてネットや資料集を使用)。
●「抽象→具体」、「結論→理由」、「結果→過程」の関係をおさえておくことで英文に落とし込みやすい。
●英文の語数が稼ぎやすい。
●説得力のあるエッセイが書きやすい。
●他のトピックに応用が効く。

総じて対策ハードルが下がり実行しやすいわりに効果大と言えます。

未準備のトピックでも本番で対応できた

私の1級合格につながった2017年度第2回の1次試験のエッセイトピックは、
「Should developed nations encourage immigration from other countries?(先進国は他国からの移民を奨励すべきか)」
でした。

この移民関連のトピックは、エッセイとスピーキング(2次試験の面接)両方の観点から言えば、鉄板トピックなのですが、私は準備していませんでした。

なので、最初見たときは、「ゲゲッ、用意してねえ!」と動揺したのですが、気持ちを落ち着かせつつ2~3分思案しているうちに、先述のトピック例②出生率低下関連トピックが応用できると気づきました。

実際は、出生率低下関連トピックの論拠を部分的にアレンジして、難民が増えている世界情勢や移民自体のメリットと組み合わせて、以下のような論拠で展開していきました。

意見 賛成
論拠1 先進国の問題 = 税収不足。
↑その理由や具体例 ・日本が良い例だが少子高齢化の傾向。
・高齢化 = 社会保障費増、出生率低下 = 若者減少で 労働力不足
・いずれも税収不足になる。
論拠2 移民側と受け入れ側両者に恩恵。
↑その理由や具体例 ・受入国は上記労働力不足を解決し、税収増。
・移民側も就業でき、移民と受け入れ国でウィンウィン関係。
論拠3 世界で移民希望者・難民が増加。
↑その理由や具体例 ・途上国でのテロ・戦乱で移民希望者・難民増加 → 先進国は道義的観点から受け入れの必要性。

構想に6~7分程かかってしまい、英文書き出しに20分程度、見直しに3~4分で、計30分ほどで書きました。

準備していなかったトピックでしたが、別のトピック用に整理していた論拠がうまくハマり、自分なりに説得力のあるものが書けたと思います。

このように、鉄板・重要なトピックに関して日本語で論拠を整理しておけば、いざ本番で未準備のトピックでも応用を効かせることが可能です。

エッセイの語彙対策や練習について

エッセイ語彙を覚えよう

実はエッセイで必要な語彙は、先述の「最短合格!英検1級英作文問題完全制覇」で出題分野ごとに網羅されています。

私は、それらをチェックテスト形式で覚えるようにしました。

語彙の日本語を見て、それを瞬間的に正しい英語に変換できるかを何度も練習しました。

例えば、「経済・ビジネス」分野の語彙で「貿易赤字」だったら「trade deficit」がパッと思い浮かぶまで何度もチェックしました。

エッセイの練習方法、英作文スキルの向上方法

エッセイの練習では、以下のいくつかの方法があります。

●①本番形式で過去問・模擬問を実戦演習する。
●②過去問・模擬問を何度も読みこむ(黙読・音読問わない)。
●③過去問・模擬問を筆写する。

私は①②を実行しましたが、①では、日本語で論拠整理をしたトピックとそうでないトピックを織り交ぜながらやりました。
本番では30分かかりましたが、実戦演習では25分以内でなるべく書くようにしました。

私は②の方法で、上記対策本の模擬解答例を何度も黙読で読んで自分なりに吸収した結果、本番で使った表現もありました。

また③の方法が自分に合っている方は、どんどん実行してみてください。

また、英作文スキルに不安のある方は、エッセイ以外の方法で英作文力を鍛える以下の方法があります。

●英語で日記を書く
●好きなものを英作する(歌詞や小説を英作してみるなど)
●日常を脳内で瞬間英作文する(書かなくてもOK)

いずれにしても、語彙や文法のミスは気にせず、とにかく実行し続けることです。
やりやすいことから練習してみるのも効果があります。
続けることで、少しずつスキルが向上し達成感・自信が得られます。

私も実際に好きなアイドル・アーティストの歌詞を英作したり、日常の中で「脳内瞬間英作文」をやったりもしました。

エッセイの時間配分

エッセイ自体の時間配分は25~30分ですね。

理想は25分ですが、いいものが書けるなら30分かけても良いです。
私も本番で30分かけました。

細かい時間配分だとオススメは以下このようになります。
●構想(論拠などのメモを書く):5分
●英文書き出し:17~22分
●見直し:3分

構想に一定時間はかけたいところです。
やみくもに書きだしても論理的に説得力のあるエッセイは書けませんし、全体の時間が余計にかかるリスクもあります。

3つの論拠、それを支える理由や具体例は、多少時間がかかっても良いので構想段階で大まかに設計しておきましょう。
その方が結果的に英文書き出しにかかる時間を減らせますし、エッセイの質も向上します。
私も本番で構想は6~7分かかりましたが、かけた甲斐がありました。

エッセイを完成させたあとの見直しもとても重要ですね。
エッセイでの1点差はCSEスコアでは約20点差になり、1次全体の合否を左右するからです。

パラグラフ毎の字下げ(インデント)がなされているか、スペルや文法のうっかりミスがないかなどを確認しておきましょう。
また見直しによって、表現を手直し・追加することもありますね。

英検1級1次で重要なエッセイの対策~27点とれた私の方法を紹介! まとめ

英検1級1次において、エッセイ攻略は必須ですが、いざ取り組むとなると面倒に感じる方も多いと思います。

しかし鉄板・頻出のトピックに対し、日本語であらかじめ論拠を整理しておくのは、意外とやりやすいですし、他のトピックへの応用も効きやすく、予想以上に効果があります。

エッセイ対策のハードルも下がります。

英検1級合格を目指す方は、ぜひやってみてください。

エッセイが攻略しやすくなります!

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